最近は、旅行や出張などでホテル以外にも「民泊(みんぱく)」を利用する人が増えています。手軽で安く泊まれるメリットがある一方で、実はさまざまな危険やトラブルも起こっています。
この記事では、民泊にひそむリスクについて、防犯・衛生・法律の面からわかりやすく解説します。これから民泊を利用しようと考えている人や、民泊を運営したいと考えている人は、ぜひ最後まで読んで注意点をしっかり理解しましょう。
安全に民泊を活用するためには、危険性を正しく知り、対策をとることがとても大切です。
民泊には危険がある?

一見便利でお得に見える民泊ですが、誰でも始められるため管理やルールが甘く、トラブルが起きやすいという特徴があります。ここでは、民泊に起こりがちな問題の基本を紹介します。
誰でも簡単に始められるためトラブルが起きやすい
民泊は、自宅の空き部屋やマンションの一室を使って、個人でも始められます。誰でもすぐに始められる反面、しっかりとした準備やルール作りがされていない場合が多く、トラブルの原因となります。
たとえば、ゴミの出し方や騒音のルールが宿泊者に伝わっていないと、近隣住民との間にトラブルが起こります。また、海外からの観光客が文化の違いからルールを守れない場合もあります。
民泊運営者の知識や意識の差が、トラブルの発生を左右することも少なくありません。
そのため、始める際は十分な準備と情報収集が必要です。
利用者とのトラブルが表面化しにくい
民泊では、宿泊者と運営者が直接顔を合わせない「無人チェックイン」なども増えています。このような非対面型の運営では、トラブルが起きても気づきにくいことがあります。
たとえば、部屋が汚されたり、備品が壊されたりしても、すぐに気づけないことがあります。宿泊者からのクレームや苦情があっても、対応が遅れると信頼を失う原因になります。
利用者同士のトラブルや、近隣住民とのトラブルも表面化しにくく、後になって大きな問題になることもあります。
トラブルが「見えにくい」構造が、民泊のリスクを高めています。
管理が行き届いていない物件も多い
一部の民泊では、掃除や修理などの管理が不十分なまま運営されていることがあります。
たとえば、エアコンが壊れていたり、布団が湿っていたり、カビ臭かったりする部屋も報告されています。これでは快適に宿泊することはできません。
運営者が現地をあまり訪れず、掃除や点検を外部に丸投げしている場合、衛生状態が悪化しやすいのです。
特に長期的に放置された物件は、設備の老朽化が進み、思わぬ事故の原因にもなります。
民泊の違法営業による危険性

法律に基づかずに営業している民泊は、利用者にとっても大きなリスクを伴います。ここでは、違法営業がどのような問題を引き起こすかを説明します。
旅館業法の許可なしに営業している施設がある
日本では、宿泊施設を運営するためには「旅館業法」という法律の許可が必要です。ですが、一部ではこの許可を取らずに無許可で営業している民泊施設があります。
無許可営業では、安全基準や衛生基準を満たしていないことが多く、火災や感染症のリスクが高まります。また、近隣住民からの通報によって、突然営業停止になることもあります。
宿泊者が知らずに違法民泊を利用してしまうケースもあるので、事前にしっかり調べることが大切です。
利用者自身もリスク回避のために、合法かどうかを見極める目を持つ必要があります。
住宅宿泊事業法(民泊新法)を守っていないケースがある
2018年に施行された「住宅宿泊事業法(通称:民泊新法)」では、年間の営業日数制限や、届け出義務などが定められています。しかし、これらを守らずに営業している事業者も存在します。
たとえば、営業日数を超えて貸し出していたり、届け出を出さずに営業していたりすることがあります。
法律違反がある場合、突然営業停止になるリスクがあり、宿泊者も影響を受けます。
安全で安心な宿泊を実現するためには、法令に従った運営が不可欠です。
無許可営業は保険が適用されない場合がある
万が一、民泊滞在中に事故や火災が起こった場合、施設側が保険に入っていなければ、損害が補償されない可能性があります。
特に無許可営業の民泊では、保険の対象外になることが多いため、利用者は自分でリスクを背負うことになります。
例えば、部屋の設備による火災でケガをしても、運営者が責任を取らなければ、補償されないこともあります。
合法的に運営されているかどうかを見極めることが、安全な民泊利用の第一歩です。

民泊の防犯面での危険とトラブル事例

民泊では、防犯対策が十分でない場合があります。ここでは、実際に起こりうる犯罪やトラブルについて解説します。
宿泊者が犯罪行為をする可能性がある
民泊は不特定多数の人が出入りするため、悪意のある人物が宿泊する可能性もあります。過去には、民泊施設を使って薬物の取引が行われたり、盗難事件が起こったりしたケースもあります。
無人運営の場合、宿泊者がどんな人物かを見分けることが難しく、防犯上のリスクが高まります。
また、未成年者が無断で利用するケースもあり、トラブルになることがあります。
民泊運営には、犯罪を未然に防ぐための対策が欠かせません。
鍵の受け渡しが無人で不正利用されやすい
最近では、無人で鍵を受け取れる「キーボックス方式」や「スマートロック」が増えていますが、これには危険もあります。
たとえば、キーボックスの暗証番号が漏れてしまうと、誰でも簡単に部屋に侵入できてしまうのです。
また、宿泊者が鍵を他人に貸してしまうと、第三者が不正に利用する可能性もあります。
便利さの裏にあるリスクにも目を向ける必要があります。
盗難や不法侵入が起こることがある
民泊施設では、外部からの侵入や内部での盗難が発生することがあります。
特に、複数の部屋がある大型の民泊施設では、他の宿泊者との間でトラブルが起こる可能性もあります。
過去には、宿泊者の荷物が盗まれたり、無断で部屋に侵入されたりする事件が報告されています。
こうしたリスクを減らすためにも、防犯カメラやセキュリティ強化が求められます。
民泊の衛生面の危険性

清潔さは宿泊施設の基本です。しかし、一部の民泊では衛生管理が行き届いておらず、利用者の健康を害する可能性もあります。
布団やタオルが使い回しされていることがある
一部の民泊では、布団やタオルをきちんと洗わずに、次の宿泊者に使い回しているケースもあります。
これは衛生的に非常に問題があり、臭いや皮膚のトラブル、感染症の原因にもなります。
ホテルとは違い、清掃の頻度が低い施設もあるため、注意が必要です。
利用者としても、レビューや写真で清掃状況を確認することが重要です。
ゴミの分別や処理が適切にされていないことがある
民泊では宿泊者が出すゴミの量も多くなりがちです。しかし、地域のゴミ出しルールを知らないまま不適切に処理されることが多いです。
生ゴミが放置されると、悪臭や害虫の発生の原因になり、近隣住民とのトラブルにもつながります。
特に外国人観光客が多い民泊では、分別方法が伝わっておらず、回収されないゴミがたまることもあります。
運営者がしっかり案内を出す、チェック後に確認するなどの工夫が必要です。
感染症が広がるリスクがある
新型コロナウイルスをきっかけに、衛生面の重要性が再認識されましたが、民泊ではこの点が不十分なケースも多いです。
不特定多数が使用する空間では、ウイルスや菌の感染リスクが高まるため、こまめな消毒や換気が不可欠です。
清掃の質が低いと、ドアノブやリモコン、トイレなどから感染が広がる可能性もあります。
運営者は、専門業者による清掃やガイドラインの遵守など、衛生対策を徹底すべきです。

民泊運営者が危険を避けるためにできる対策

民泊に潜むリスクを減らすには、運営者が法令やマナーを守り、しっかりとした管理体制を築くことが必要です。ここでは、具体的な対策を紹介します。
旅館業法や住宅宿泊事業法に従う
まず基本として、法律を守ることがすべての対策の土台になります。
旅館業法または住宅宿泊事業法に基づき、必要な許可や届出を行い、適正に営業しましょう。
営業日数の制限や宿泊者名簿の管理など、法律には明確なルールが定められています。
これを守ることで、違法営業によるリスクや罰則を避けられます。
防犯カメラやスマートロックを設置する
宿泊者の安全と施設の防犯のために、防犯カメラやスマートロックの導入は非常に有効です。
スマートロックで鍵の管理をデジタル化すれば、不正利用や鍵の紛失リスクを減らせます。
また、防犯カメラの設置により、犯罪の抑止効果が期待できます。ただし、プライバシーへの配慮も必要で、設置場所は適切に選ぶ必要があります。
無人運営でも、安心感を高められる方法です。
専門の清掃業者と契約する
衛生管理を徹底するためには、専門の清掃業者と契約することがもっとも効果的です。
個人で清掃を行うと、時間や手間がかかるうえ、清掃レベルが安定しません。
専門業者に依頼すれば、プロの技術で部屋全体を清潔に保つことができ、感染症対策にもつながります。
レビュー評価の向上にも直結するポイントです。
宿泊者の本人確認を徹底する
犯罪やトラブルを防ぐためには、宿泊者の本人確認が重要です。
特に無人チェックインの場合は、パスポートの提出や顔写真の確認など、しっかりとした本人確認を行いましょう。
民泊新法でも、本人確認は義務とされています。
トラブル発生時の対応にもつながるため、記録を残す仕組みも大切です。
苦情窓口や近隣住民への連絡体制を整える
民泊は地域との共存が不可欠です。騒音やゴミ問題が発生した際にすぐ対応できるように、苦情を受け付ける窓口や、連絡体制を整えておくことが重要です。
事前に近隣住民へ民泊運営の説明を行い、連絡先を伝えておくことで、信頼関係を築けます。
トラブルが起きたときも、早めに対応することで被害の拡大を防げます。
また、自治体によっては民泊に関するルールや連絡先の掲示が義務化されている場合もあるため、確認が必要です。
まとめ|民泊の危険を正しく知って安全に運営しよう

民泊は、宿泊施設としての選択肢が広がる一方で、法律・防犯・衛生の面で多くのリスクがあることがわかりました。
これらのリスクは、運営者が正しい知識を持ち、適切な対策をとることで大きく減らせます。
旅行者としても、利用前に運営元の情報を確認し、安全・安心な民泊を選ぶことが大切です。
今後も民泊はさらに広がっていくと予想される中で、トラブルを防ぐためにも、「安いから」「便利だから」といった理由だけで選ばず、信頼できる施設を見極めましょう。
民泊を「安くて便利」なだけでなく、「安全で快適」なものにしていくためには、私たち一人ひとりの意識と行動が大切です。
株式会社PQDでは民泊運営代行を行っており、民宿・ホテル、規模を問わず様々な形態の物件に対応しています。
マーケティングデータの活用やハイセンスな家具や電化製品の採用によりお客様に心から満足いただける部屋作りを徹底しており、特に清掃スタッフは大手のホテルなどで経験を積んだスタッフを中心に構成し、こだわりを持って行っています。
最大の特徴は現場で起きる様々なイレギュラー事例に対して臨機応変に対応し、マニュアルにとらわれない顧客重視のサービスを行っている点です。
料金形態も内容に合わせて柔軟に対応していますので検討中の方は是非一度お問い合わせください。
